えめばら園

Philosophier' Er nicht, Herr Schatz, und komm' Er her. Jetzt wird gefrühstückt. Jedes Ding hat seine Zeit.

2017-01-01から1年間の記事一覧

「発生論的誤謬」 の起源? Cohen and Nagel (1934)

https://archive.org/details/in.ernet.dli.2015.499820 Cohen, M. R and Nagel, E. (1934). An Introduction To Logic And Scientific Method. London: Routledge & Kegan Paul. pp. 388−390 以下は、モーリス・コーエンとエルンスト・ネーゲルによる共著『…

モラル・タイプキャスティング、そして本書のまとめ 唐沢 (2017)

なぜ心を読みすぎるのか: みきわめと対人関係の心理学作者: 唐沢かおり出版社/メーカー: 東京大学出版会発売日: 2017/07/27メディア: 単行本この商品を含むブログ (6件) を見る 唐沢かおり (2017). 『なぜ心を読みすぎるのか』(東京大学出版会) 第1章 対…

モノ化と動物化 唐沢 (2017)

なぜ心を読みすぎるのか: みきわめと対人関係の心理学作者: 唐沢かおり出版社/メーカー: 東京大学出版会発売日: 2017/07/27メディア: 単行本この商品を含むブログ (6件) を見る 唐沢かおり (2017). 『なぜ心を読みすぎるのか』(東京大学出版会) 第1章 対…

理論とシミュレーションの使い分け 唐沢 (2017)

なぜ心を読みすぎるのか: みきわめと対人関係の心理学作者: 唐沢かおり出版社/メーカー: 東京大学出版会発売日: 2017/07/27メディア: 単行本この商品を含むブログ (6件) を見る 唐沢かおり (2017). 『なぜ心を読みすぎるのか』(東京大学出版会) 第1章 対…

対応推論研究の古典と現在 唐沢 (2017)

なぜ心を読みすぎるのか: みきわめと対人関係の心理学作者: 唐沢かおり出版社/メーカー: 東京大学出版会発売日: 2017/07/27メディア: 単行本この商品を含むブログ (6件) を見る 唐沢かおり (2017). 『なぜ心を読みすぎるのか』(東京大学出版会) 第1章 対…

対人評価の二次元 唐沢 (2017)

なぜ心を読みすぎるのか: みきわめと対人関係の心理学作者: 唐沢かおり出版社/メーカー: 東京大学出版会発売日: 2017/07/27メディア: 単行本この商品を含むブログ (6件) を見る 唐沢かおり (2017). 『なぜ心を読みすぎるのか』(東京大学出版会) 第1章 対…

感覚器官の猛烈な興奮と痛みの連合 Carpenter (1876)

https://archive.org/details/principlesofment00carprich Carpenter, W. B. (1876). Principles of mental physiology : with their applications to the training and discipline of the mind, and the study of its morbid conditions. London: Henry &Ki…

最大の快は最大の苦痛を上回らない Allen (1877)

https://archive.org/details/physiologicalae00allegoog Allen, G. (1877). Physiological Aesthetics. London: Henry & King Chapter II. Pleasure and Pain §2 Pain §3 Pleasure 痛みから快へ話を移すにあたり、アレンはベインが提起する次の法則に言及す…

痛み、エネルギー効率、蒸気機関としての人間 Allen (1877)

https://archive.org/details/physiologicalae00allegoog Allen, G. (1877). Physiological Aesthetics. London: Henry & King Chapter II. Pleasure and Pain §2 Pain 日常的な観察から、痛みは身体組織の破壊[disruption]と結びついていることがわかる。だ…

科学で答える「正義は国境を越えるか?」 亀田 (2017)

モラルの起源――実験社会科学からの問い (岩波新書)作者:亀田 達也岩波書店Amazon 亀田達也 (2017). 『モラルの起源』(岩波書店) 第1章 「適応」する心 生物学では、生き物を「適応」のシステムとして捉える 「適応」=「自然淘汰に基づく進化的適応」 こ…

19世紀後半ドイツ哲学のアジェンダ・セッターとしてのショーペンハウアー Beiser (2016)

Weltschmerz: Pessimism in German Philosophy, 1860-1900作者: Frederick C. Beiser出版社/メーカー: Oxford Univ Pr発売日: 2016/07/05メディア: ハードカバーこの商品を含むブログを見る Beiser, F. (2016). Weltschmerz: Pessimism in German Philosophy…

触覚には複数の感覚が含まれているのか?:歴史的概観 Hamilton (1860)

Hamilton, W. (1860). Lectures of Metaphysics and Logic, Vol. 2. Edinburgh and London: Willam Blackwood and Sons. pp. 155-157 以下に訳出したのはウィリアム・ハミルトンの『形而上学・論理学講義』から、触覚の複数性にかんする学説史を概観した部分…

ウェルビーイング療法と臨床 Ruini and Fava (2014)

Stability of Happiness: Theories and Evidence on Whether Happiness Can Change作者: Kennon M Sheldon,Richard E. Lucas出版社/メーカー: Academic Press発売日: 2016/06/30メディア: ペーパーバックこの商品を含むブログ (1件) を見る Sheldon, K. M. &…

「内観は内を眺める過程ではない」:表象主義の内観観 Dretske 1995[2007]

心を自然化する (ジャン・ニコ講義セレクション 2) (ジャン・ニコ講義セレクション 2)作者: フレッド・ドレツキ,鈴木貴之出版社/メーカー: 勁草書房発売日: 2007/10/29メディア: 単行本購入: 1人 クリック: 6回この商品を含むブログ (6件) を見る Dretske, F…

ペシミズムと生理学 Sully (1877)

https://archive.org/details/pessimismhistory00sull Sully, James (1877). Pessimism: A History and A Criticism. London: Henry S. King. 人生においては快より苦痛のほうが支配的だという非対称性の指摘は、ペシミストたちの基本的主張の一つです。この…

ポルトガルにおける科学博物館 Lourenço and Dias (2017)

http://www.journals.uchicago.edu/doi/full/10.1086/692690 Marta C. Lourenço and José Pedro Sousa Dias (2017). “Time Capsules” of Science: Museums, Collections and Scientific Heritage in Portugal. Isis, 108(2), pp. 390−398. 1991年、リスボ…

心理学(psychologia)と霊魂の学(scientia de anima) Vidal (2011)

The Sciences of the Soul: The Early Modern Origins of Psychology作者: Fernando Vidal,Saskia Brown出版社/メーカー: Univ of Chicago Pr発売日: 2011/12/09メディア: ハードカバーこの商品を含むブログを見る Vidal, F. (2011). The Sciences of the So…

ジェームズ・サリーと心理学の二つの方法 Sully (1884)

https://archive.org/details/outlinespsychol02sullgoog Sully, J. (1884). Outlines of Psychology: With Special Reference to the Theory of Education. A Text-Book for Colleges. New York, NY: Appleton. サリーは、科学的知識に3種類の特徴を認める…

痛みは共通感覚ではない Titchener (1897) & (1899)

https://archive.org/details/anoutlinepsycho02titcgoog https://archive.org/details/b21294562 Tichener, Eduard Brandford. (1897). An Outline of Psychology, 2nd ed.. New York, NY: Macmillan. Tichener, Eduard Brandford. (1899). An Outline of P…

痛点にかんする実験マニュアル Titchener (1901)

https://archive.org/details/cu31924085712192 Tichener, Eduard Brandford. (1901). Experimental Psychology. A Manual of Laboratory Practice. Volume 1. Qualitative Experiments. Part 1. Students’ Manual. New York, NY: Macmillan. 以下に訳出した…

皮膚と筋肉から生じるものとしての痛み Titchener (1898)

https://archive.org/details/primerofpsycholo01titc Tichener, Eduard Brandford. (1898). A Primer of Psychology. New York, NY: Macmillan. 以下に訳出したのはE. B. ティチナーが1898年に書いた心理学の入門書から「痛み」に関連する部分です。ここで…

痛みこそ共通感覚である Titchener (1896)

https://archive.org/details/anoutlinepsycho06titcgoog Tichener, Eduard Brandford. (1896). An Outline of Psychology, 1st ed.. New York, NY: Macmillan. 以下に訳出したのはE. B. ティチナーが1896年に書いた心理学の入門書から「痛み」の節です。こ…

アロイス・リールと(未完の)実践哲学 Beiser (2014)

The Genesis of Neo-Kantianism 1796-1880作者: Frederick C. Beiser出版社/メーカー: Oxford Univ Pr発売日: 2015/01/27メディア: ハードカバーこの商品を含むブログ (1件) を見る Beiser, F. (2014). The Genesis of Neo-Kantianism, 1796−1880. Oxford: O…

アロイス・リールの実在論 Beiser (2014)

The Genesis of Neo-Kantianism 1796-1880作者: Frederick C. Beiser出版社/メーカー: Oxford Univ Pr発売日: 2015/01/27メディア: ハードカバーこの商品を含むブログ (1件) を見る Beiser, F. (2014). The Genesis of Neo-Kantianism, 1796−1880. Oxford: O…

機能の様相説と目的意味論 Nanay (2014)

http://www.journals.uchicago.edu/doi/abs/10.1086/677684 Nanay, B. (2014). Teleosemantics without etiology. Philosophy of Science, 81 (5), 798−810. 1. 心の生物学化 心的状態とその志向的対象との関係は、ふつうの科学理論の被説明項にはない特徴が…

構築原因、「何故」の問い、スーパーヴィーニエンス Dretske (2010)

A Companion to the Philosophy of Action (Blackwell Companions to Philosophy)作者: Timothy O'Connor,Constantine Sandis出版社/メーカー: Wiley-Blackwell発売日: 2010/05/24メディア: ハードカバーこの商品を含むブログを見る O'Connor, T. and Sandis…

草は学習しないので行為しないけど鳥は学習するので行為する Dretske (1999)

https://link.springer.com/article/10.1023/A%3A1005541307925 Dretske, F. (1999). Machines, plants, and animals: The origins of agency. Erkenntnis, 51(1), 19−31. ※内容的には『行動を説明する』の2章におおむね対応しています 合目的行為とは思考に…

自分は善いことをしたと思っている人は(結果はどうあれ)幸福である Philips, Nyholm, and Liao (2015)

Oxford Studies in Experimental Philosophy作者: Tania Lombrozo,Joshua Knobe,Shaun Nichols出版社/メーカー: Oxford University Press発売日: 2015/01/13メディア: ペーパーバックこの商品を含むブログを見る Lombrozo, T., Knobe, J. & Nichols, S. (eds…

生物の行動を研究するとはどういうことなのか Millikan (1993)

White Queen Psychology and Other Essays for Alice (Bradford Books)作者: Ruth Garrett Millikan出版社/メーカー: The MIT Press発売日: 1993/04/29メディア: ハードカバーこの商品を含むブログ (2件) を見る Millikan, R. (1993). White Queen Psycholog…

素朴心理学と認知科学 Millikan (1993)

White Queen Psychology and Other Essays for Alice (Bradford Books)作者: Ruth Garrett Millikan出版社/メーカー: The MIT Press発売日: 1993/04/29メディア: ハードカバーこの商品を含むブログ (2件) を見る Millikan, R. (1993). White Queen Psycholog…