On Social Facts
- 作者: Margaret Gilbert
- 出版社/メーカー: Princeton University Press
- 発売日: 1992/03/23
- メディア: ペーパーバック
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- Gilbert, M [1989] On Social Fact (Princeton Univ Pr)
脳をいじられて、「毎週木曜は私とお昼を食べる」というかつての同意をまったく思い出せなくなった人がいるとする。たしかに、それでも彼はかつて同意したのだから、その同意により昼食に来る義務があると言うことはできる。実際法においてはこういうこともあろう。しかし昼食をとることに関して、彼がいまだに私と共同の準備状態に参与していると言うのは奇妙である。このような状態が存続しているためには、関与者全員が適当な形で継続的にアクティヴである必要がある。
これと平行なことは個人でも起こる。私が明日買い物に行こうと決断したなら、私は買い物に行く優先的な理由をもっていることになるが、しかしその決断を完全に忘れてしまった場合どうか。私がかつて決断したという事実は、それをまったく覚えていない私に対して買い物に行く優先的な理由を与えるだろうか？ 他の人が決断の事実を教えてくれたり、決断をかきとめた日記を見つけることもあるだろうが、これはその決断をずっと覚えているのとは違う。私がかつて持っていたのと同じ種の理由を持つことができるのは、私がかつての決断を意識的に取り返す場合か、あるいは再建する場合に限られる。
共同の準備状態とはこの決断のようなもので、もし一人の参与者が参与者間の状況を把握しなくなった場合には、共同準備状態は消え去り、なんらかの方法で再建される必要がある。
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